トピックス
核磁気共鳴(NMR)による血液・尿の化学分析
吉川 研一
1
1徳島大教養部
pp.528-529
発行日 1982年6月1日
Published Date 1982/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205396
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体内の水の信号を取り出すことにより,人体の断層像を得ることのできる装置としてNMR-CT法(NMR断層法)が注目されている.昨年辺りから,実際に頭部や胸・腹部の鮮明な断層像が報告されはじめている.現在市販の装置はアメリカのFONAR社のものだけであるが,これから1〜2年の間に臨床診断用の装置が電気・臨床機器メーカーから競い合って発売される予定となっている.
このNMR-CT法は,水の信号の強度や緩和時間を測定することにより,ノータッチで癌などの診断を行えるうえに,X線のような有害な放射線を用いないですむとして,大きな期待を集めている.今年から来年にかけては,かつてのCTフィーバーを上回るNMRフィーバーがまき起こると予想するむきもある.
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