Japanese
English
特集 肺循環
肺循環とプロスタグランディン,ロイコトリエン
Roles of prostaglandins and leukotrienes in pulmonary circulation
北村 諭
1
Satoshi Kitamura
1
1東京大学医学部第3内科
1The 3rd Dept. of Internal Medicine, Faculty of Medicine, University of Tokyo
pp.883-888
発行日 1984年9月15日
Published Date 1984/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204505
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肺はガス交換をおこなう臓器であり,従来の肺機能の研究は主として呼吸運動とガス交換のメカニズムの解明のみに向けられてきた。しかし,肺には生理活性物質の作用を変化させる働きがあるとする画期的な研究成果は,すでに1920年代にStarlingら1)により発表された。当時彼らは瀉血された血液中には或る種の毒性があり,それが肺血管系を通過することにより解毒されると考えた。その後25年を経てGaddumら2)がこれを追試し,その解毒作用とは血液中に含有されているセロトニンの不活性化にほかならないことを証明した。
その後,脂質,血管作動性物質を中心とする肺の代謝機能にかんする研究は着実に進展し,近年,肺はガス交換臓器であると同時に,一種の代謝臓器であると考えられるようになった3)。
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