特集 ホルモンと生理活性物質
各論
14.カリクレイン―キニン―プロスタグランジン系
3)ロイコトリエン
原田 芳照
1
Yoshiteru HARADA
1
1北里大学医学部薬理学教室
pp.255-257
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902245
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発見の経緯
感作したモルモットの肺を摘出して灌流し,抗原で刺激するとヒスタミンやブラジキニンなどと比較してモルモット回腸を非常にゆっくり持続的に収縮させる活性物質が遊離される.この物質はアナフィラキシーに際して遊離され,平滑筋をゆっくり収縮させる物質という意味でslow reacting substance of anaphylax-is (SRS-A)と呼ばれた.このような活性の存在は1938年ごろから知られていたが,その化学的実体は長い間不明であった.最初の記載から約40年を経た1979年,Samuelssonらによって構造が決定され,白血球が生成する共役トリエン構造を有する物質という意味でロイコトリエン(leukotriene; LT)と命名された.以来,気管支喘息や即時型過敏症のメディエータ候補として注目され,多くの研究が報告されている.
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