Japanese
English
特集 肺循環
肺循環の解剖学的・機械的観点
Anatomical and mechanical aspects of the pulmonary circulation
三重野 龍彦
1
,
吉良 枝郎
1
Tatsuhiko Mieno
1
,
Shiro Kira
1
1自治医科大学呼吸器内科
1Department of Internal Medicine, Jichi Medical School, School of Medicine
pp.877-882
発行日 1984年9月15日
Published Date 1984/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204504
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肺循環系のもつ種々の生理学的特性を考慮するにあたって重要な点は,それが低圧系として作働しているという事実である。肺循環系は平均肺動脈圧としてたかだか15mmHg前後という低圧系であるため,大循環系に比べて重力の影響をはるかに容易に受けることになる。肺の上下方向での血流分布の不均等性もこの重力の影響により説明される。
さらに肺循環系の特性を規定する要因の1つとして,肺が胸郭内という解剖学的に特殊な位置を占めている点を考慮する必要がある。生体では肺は胸腔内陰圧と大気圧との間に生ずるtranspulmonary pressureによりneg—ative prcssure ventilationを営んでいる。この胸腔内圧の変動も,血管壁が薄くcollapsibleな性格を有する肺血管床のgeometryを淡定する因子として重要である。
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