Japanese
English
綜説
カルシウム拮抗薬と肺疾患
Calcium antagonist and lung disease
北村 諭
1
,
三重野 龍彦
1
,
倉富 雄四郎
1
Satoshi Kitamura
1
,
Tatsuhiko Mieno
1
,
Yushiro Kuratomi
1
1自治医科大学呼吸器内科学教室
1Department of Pulmonary Medicine, Jichi Medical School
pp.122-131
発行日 1987年2月15日
Published Date 1987/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205000
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緒言
1947年に,HeilbrunnとWiercinskiにより骨格筋の収縮系にはカルシウムイオン(Ca2+)が必要であるとするカルシウム説1)が提唱されて以来,筋収縮のメカニズムに関する多くの学説が発表されてきた。今日では心筋をはじめとする各種平滑筋の収縮においてもCa2+が重要な役割を演じているとする考え方が有力となり,それについてはもはや疑いの余地がないものと考えられるようになった。
カルシウム拮抗薬が日常臨床に導入されたのはまだ比較的新しいことである。しかし,近年,これら薬剤は心臓・循環器系疾患,高血圧症の治療薬として日常臨床で繁用されるようになり,また平滑筋に対する作用機序が解明されるにつれて,気管支平滑筋への作用,ひいては気管支喘息,COPDの治療薬としての可能性も盛んに検索されるようになった。
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