呼と循ゼミナール
急性呼吸不全の治療(2)—酸素療法
天羽 敬祐
1
1東北大学麻酔科
pp.30
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204369
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急性呼吸不全に対する酸素療法で,臨床的に最も厄介な問題は,COPDの急性増悪のような低酸素血症と高CO2血症の併存する場合であろう。何を指標にどのように酸素投与を行うか判断に迷うことが少なくない。
PaO2 35〜45 torrを相対的適応,35 torr以下を絶対的適応とする意見もあれば1),酸素療法の究極の目的は組織への酸素供給にあるという考えから,混合静脈血酸素分圧を重視し,PaO2が60 torr以下の場合に酸素療法の適応とする意見もある2)。ただCOPDの急性増悪では,併存する高CO2血症が酸素投与によりさらに上昇しCO2 narcosisに陥る危険がある。
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