Japanese
English
特集 手術と呼吸
肝切除術後の呼吸不全に関する検討
Respiratory failure after hepatectomy
斎藤 英昭
1
,
有田 明
1
,
渡辺 千之
1
,
石山 賢
1
,
河野 信博
1
,
森岡 恭彦
1
,
玉熊 正悦
2
Hideaki Saito
1
,
Akira Arita
1
,
Chiyuki Watanabe
1
,
Ken Ishiyama
1
,
Nobuhiro Kohno
1
,
Yasuhiko Morioka
1
,
Shoetsu Tamakuma
2
1東京大学医学部第1外科
2防衛医科大学校第1外科
11st Dept. of Surgery, Univ. of Tokyo
21st Dept. of Surgery, National Defense Medical College
pp.53-60
発行日 1984年1月15日
Published Date 1984/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204372
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はじめに
侵襲の大なる手術やpoor risk患者に対する積極的な手術が増加したために,術前術後管理の進歩した今日でも,術後肺合併症の発生頻度は依然として高い1)。とくに消化器外科領域においては開胸開腹術を行う食道癌や敗血症を呈する化膿性腹膜炎などの手術後に高率に呼吸不全が発生する。一方,肝癌患者などの肝切除術後にも重篤な呼吸不全が発生しやすいことをわれわれはすでに指摘してきた2,3)。この肝切除術後の呼吸不全は患者管理のうえから重要であるとともに,いわゆるadult respir—atory distress syndromeの一典型ともいえ,その発生機序や対策をめぐって興味ある問題を含んでいる。そこでこの肝切除術後の呼吸不全に焦点をあてて臨床的ならびに実験的検討を行った。
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