特集 カテコールアミン
狭心症患者のピロカルピン負荷に対する自律神経応答とその病態生理学的意義
玉田 和彦
1
,
佐々木 順子
1
,
宮崎 都志幸
1
,
河本 英作
1
,
伊藤 芳久
1
,
福崎 恒
1
,
上羽 康之
2
1神戸大学医学部第1内科
2神戸大学医療技術短期大学部
pp.1187-1190
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204333
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
自律神経系は交感神経系と副交感神経系からなり両神経系は原則的に拮抗性をもち生体のhomeostasis維持に対し不随意的かつ合目的に生体機能を調整している。近年,狭心症,特に冠攣縮性狭心症の発作発現のような病態においても自律神経活動が重要な役割を果す可能性につき報告がなされている1)。その根拠として,副交感神経刺激薬剤であるピロカルピンやメサコリンが異型狭心症の発作を誘発することが明らかにされているが,その機序として,副交感神経興奮状態下での反射性交感神経活動亢進の関与が推測されている2)。本研究では狭心症,特に冠攣縮性狭心症の発作発現機序における自律神経系の関与を解明するため,狭心症患者を対象としてピロカルピン負荷試験を行ない,その際の自律神経活動を検討した。
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.