特集 カテコールアミン
右室,左室前並びに側壁の冠動・静脈血norepinephrine較差よりみた左・右星状神経節の心臓交感神経支配
東海林 哲郎
1
,
佐藤 良二
1
,
工藤 靖夫
1
,
石山 直志
1
,
松木 高雪
1
,
飯村 攻
1
1札幌医科大学第2内科
pp.1163-1166
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204328
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心臓支配の交感神経について,右星状神経節電気刺激(以下右SNSt)は心拍数増加,左の刺激(左SNSt)は心収縮力増加をもたらすことの他,心電図上のQTやSTにも少なからざる影響を及ぼすことが知られている。そしてこの機序を明らかにする研究としては,詳細な解剖学1)あるいは組織化学的な研究,あるいは生理学的アプローチとしての,右・左SNSt時の心表面局所心電図2)や局所冠血流量の変化3)の検討,更には心室壁表面に縫着した多数のstrain gaugeの動きと心表面局所徐神経の組み合せを検討したRandall一派の検索4)等が挙げられよう。しかし従来の研究の多くは心臓神経支配の分布ないしは経路に重点が置かれ,支配の強さを量的に追求したものは少ない。
近年Yamaguchiら5)はSNStのHerz数と冠静脈洞血norepinephrine濃度(pNEcs)がよく相関することを明らかにしたが,局所的な変動の成績は未だみない。
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