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特集 カテコールアミン研究最近の進歩
心筋虚血発症に与る交感神経系の役割—中等度冠狭窄犬の交感神経刺激による冠循環,心機能,心筋代謝に対する高脂血症の影響
Significance of Sympathetic Nerve System on the Precipitation of Cardiac Ischemia: Effects of Hyper-lipidemia on the Changes of Coronary Circulation, Cardiac Function and Myocardial Metabolism Produced by Sympathetic Nerve Stimulation in Dog Hearts with Moderate Coronary-Constriction
吉田 茂夫
1
,
佐藤 良二
1
,
野原 邦彦
1
,
工藤 靖夫
1
,
本江 正臣
1
,
石山 直志
1
,
飯村 攻
1
Shigeo Yoshida
1
,
Ryoji Sato
1
,
Kunihiko Nohara
1
,
Yasuo Kudo
1
,
Masami Motoe
1
,
Naoshi Ishiyama
1
,
Osamu Iimura
1
1札幌医科大学第2内科
1The 2nd Department of Internal Medicine, Sapporo Medical College
pp.25-28
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204145
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心筋虚血発症に交感神経系の作動が重要な役割をはたしていることは周知といえよう。我々も臨床的1,2),更には冠動脈狭窄犬でこれらの検索を積み重ね,現在までその成績2〜4)を逐次報告してきた。ことに最近は冠動脈狭窄のみでは冠血流量(CBF)が正常の50%程度に低下しても明らかな心筋虚血は生じないが,交感神経興奮時にはCBF低下が25%以上で,すでに内層により著明な心筋虚血が生じ,加えて,かかる心筋虚血発症に高脂肪酸血症が促進的な効果を示すことが示唆された。一方,最近は,高脂血症,殊に動脈血中遊離脂肪酸(FFA)の上昇が心筋梗塞の範囲を拡大5)させたり,不整脈を増悪させる5,6)ことも明らかにされてきている。ただし狭心症発作発症自体に対する高FFA血症の影響については未だ解決がなされていないといわざるをえない。そこで本論文では,高脂血症が交感神経系緊張亢進時の心筋虚血発症にいかなる影響を与えるかを,冠動脈狭窄犬を用いて,冠循環,心機能,心筋代謝の面から総合的な検討を行った。
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