特集 カテコールアミン
冠動脈の薬物反応性と交感神経
塚田 徳昌
1
,
今井 昭一
2
,
R.Rubio
3
,
R.M.Berne
3
1新潟こばり病院内科
2新潟大学医学部薬理学教室
3バージニア大学生理学教室
pp.1159-1162
発行日 1983年11月15日
Published Date 1983/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204327
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交感神経切除術を施したとき,効果器官のnorepine—phrineに対する反応性が増加することは,denervationsuperscnsitivityと呼ばれ,よく知られた現象である。この反応性の増加は手術後速やかにあらわれ,用量反応曲線の左方への移動として示される1)。その発現機序として交感神経末端によるnorepinephrineの取込減少があげられている1)。これに対して最近,交感神経切除術の慢性効果も注目をひくようになってきた1,2,3)。この場合,効果器官の反応性はnorepinephrineに対して変化するだけでなく,種々の化合物に対して非特異的に変化することが指摘されており,その機序としては効果器官の細胞膜の変化,すなわちpostjunctional componentの変化が考えられており,用量反応曲線の最大反応の変化がみられることが報告されている。
今回,我々の目的は摘出冠血管のnorepinephrine,adenosine,nitroglycerinに対する反応性を調べ,それが慢性的交感神経切除によりどのように影響されるかを調べることである。
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