Japanese
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特集 肺血栓・塞栓症—最近の動き
肺血栓・塞栓症の成立機序
1)生化学,凝固・線溶
Biochemistry of blood coagulation and fibrinolysis underlying pulmonary thrombosis and embolism
松田 道生
1
Michio Matsuda
1
1自治医科大学止血血栓
1Division of Hemostasis and Thrombosis Research, Institute of Hematology, Jichi Medical School
pp.929-935
発行日 1989年9月15日
Published Date 1989/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404205534
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はじめに
血栓の形成に血液凝固系および線溶系がどのように関わっているか,ということは最近になって相ついで報告されている種’々の分子異常症(異常フィブリノゲン血症,プラスミノゲン異常症,アンチトロンビIII異常症など)のような凝固・線溶関連物質の質的異常や,アンチトロンビンIIIやプロテインCのような生理的に重要な制御因子の欠損あるいは分子異常症例での臨床的かつ基礎的な検索が進められて,ようやく明瞭になってきたように思われる。
本稿では主として,凝固・線溶関連物質の質的あるいは量的異常を示す先天性疾患で得られた情報を中心に,血栓の成因に与る凝固・線溶の役割を考えてみたい。
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