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高頻度陽圧呼吸(HFV)は,すでに多方面の臨床応用が試みられているが,しかしHFVのための必要換気量の予測法は未だに確立されていない。Radfordのノモグラム1)は50回/分以下の呼吸回数にしか使用できず.またNunnのpredictor2)は肺胞換気量を分時換気量の2/3としているため,解剖学的死腔換気量(分時)が分時換気量の大部分を占めるようなHFVには使用できない。Borgら3)はHFVのための一つのノモグラムを発表しているが,これも60回/分という固定された呼吸回数のしかも特殊な気管支鏡のために作られているので,一般的には使用できない。
本研究においては,数学的な肺モデルを用い,PaCO2をある希望値に保つのに必要な換気量を算出するための方程式を理論的に導き出し,その方程式を用いて体重あたりの換気量表を作成した。そしてこの換気量表にもとづいて患者の換気量を設定し,種々の手術中に14から200回/分までの人工呼吸をおこなった結果,よく正常範囲のPaCO2とPaO2とを維持できることが判明した。本稿では,理論式の導き出し方,換気量表の作成方法および患者への適用結果について述べる。
A method to predict ventilatory volume required to maintain normal Paco2 during IPPV and HFV was studied by using a mathematical lung model which consisted of three components, i.e. perfused alveoli, alveolar dead space and anatomical dead space. A ventilation equation which included the effects of alveolar and anatomical dead space was derived and a ventilatory standard based on patient's body weight was calculated by the equation.
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