Japanese
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特集 カテコールアミン研究最近の進歩
交感神経刺激によるST下降と心筋虚血
ST depression induced by sympathetic nerve stimulation with special reference to myocardial hypoxia
飯沼 宏之
1
,
久保木 正夫
1
,
高橋 宣光
1
,
加藤 和三
1
Hiroyuki Iimura
1
,
Masao Kuboki
1
,
Nobumitsu Takahashi
1
,
Kazuzo Kato
1
1心臓血管研究所
1The Cardiovascular Institute
pp.47-51
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204150
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我々はこれまで交感神経刺激により生じるST下降について発表してきた1,2)。即ち左(右)交感神経を刺激すると,刺激直後の変化に続き,開始後数上秒で左室後(前)壁にST下降,陽性T増大,前(後)壁ではその鏡像変化としてST上昇,T陰転が生じる1)。このときST下降領域で同時に測定した乳酸代謝は不変であったこと2),ST下降時K+の細胞内とり込みが生じること2),吸引エレクトログラムの同時記録からST下降はprimaryと考えられること2)などより,この変化は非虚血性と考えている。しかし交感神経刺激により冠静脈洞血の酸素分圧は低下するとの報告があり3〜6),虚血性変化の関与を必らずしも否定しきれない。そこで交感神経刺激の際の冠静脈血酸素分圧(CVPO2)の変化を調べ,ST下降との関係について検討した。
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