Japanese
English
特集 心臓の大きさ
心エコー法による心臓の計測とその意義
Echocardiographic measurement of the heart and its clinical significance
藤井 諄一
1
,
久保木 正夫
1
,
相澤 忠範
1
,
渡辺 𠘑
1
,
加藤 和三
1
Junichi Fujii
1
,
Masao Kuboki
1
,
Tadanori Aizawa
1
,
Hiroshi Watanabe
1
,
Kazuzo Kato
1
1心臓血管研究所
1Cardiovascular Institute
pp.237-244
発行日 1981年3月15日
Published Date 1981/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203731
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I.心臓の大きさとその生理学的意義
心臓の本質的な機能はポンプ作用で,それにより日常生活に必要な心筋や骨格筋の運動や生命活動の維持に必要なvital organへの血液の循環が保たれる。このポンプ作用の源をなすのが心臓を構成する心筋の収縮であり,それを維持するのが左右の冠動脈である。
心臓は二つの隔壁(心室中隔,心房中隔)と二つの房室弁(三尖弁,僧帽弁)により四つの部屋,すなわち左右心室と左右心房に分けられている。左心室の収縮により動脈血は大動脈弁を経て大動脈へ駆出され,全身をまわった後,上下大静脈を経て右心房に戻る。右心房から三尖弁を経て右心室へ流入した血液は肺動脈弁を経て肺動脈へ駆出され,肺でガス交換を行った後,肺静脈より左心房へ戻る。左心房へ戻った血液は僧帽弁を経て左心室へ流入し,再び大動脈へ駆出される。これが心臓の一周期であり,これら心臓各部の収縮,拡張(弛緩)がタイミングよく行われて効率のよいポンプ作用が営まれる。
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