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特集 カテコールアミン研究最近の進歩
虚血部心筋と非虚血部心筋のノルエピネフリン含量およびグリコーゲンホスホリラーゼ活性の変化
Changes in myocardial norepinephrine and glycogen phosphorylase in ischemic and non-ischemic areas
酒井 兼司
1
,
安孫子 保
1
Kenji Sakai
1
,
Yasushi Abiko
1
1旭川医科大学薬理
1Department of Pharmacology, Asahikawa Medical College
pp.15-18
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204143
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虚血や低酸素状態の心筋からノルエピネフリン(NE)が遊離されることは以前から報告されている1,2)。虚血部心筋のグリコーゲンホスホリラーゼ活性上昇やcyclicAMP濃度の上昇は虚血によって心筋からNEが遊離している可能性を示唆する3〜5)。MathesとGudbjarnason6)は長期間(42日間)の冠動脈結紮が心筋NE含量におよぼす影響を観察し,NE含量は虚血にしてからの日が経過するに従い著明に減少することを報告した。しかし,NEの遊離は虚血あるいは低酸素直後に生じているので1,2),冠動脈結紮直後の心筋NE含量の変動について調べてみる必要がある。また,非虚血部心筋のNE含量が冠動脈結紮によって影響をうけるか否かについても検討する必要がある。
本研究は冠動脈結紮後のきわめて短い時間内での虚血部と非虚血部心筋NE含量の変化を測定する目的で行なった。またカテコールアミンと密接に関係する心筋グリコーゲンホスホリラーゼ活性の測定も行なった。
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