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特集 カテコールアミン研究最近の進歩
カテコールアミンの心筋内脂肪酸代謝に及ぼす影響とL-カルニチンの効果
Effects of L-carnitine on myocardial fatty acid metabolism impaired by catecholamine
安倍 成彰
1
,
鈴木 与志和
1
,
西原 健二
1
,
小林 明
1
,
神川 正
1
,
林 秀晴
1
,
桝村 義典
1
,
山崎 昇
1
Masaaki Abe
1
,
Yoshikazu Suzuki
1
,
Kenji Nishihara
1
1浜松医科大学第3内科
13rd Dept. of Int. Med., Hamamatsu University School of Medicine
pp.19-23
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204144
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高遊離脂肪酸(FFA)血症の心筋に対する有害作用の1つとして,FFAの酸化過程における中間代謝産物であるlong chain acyl CoAおよびlong chain acylcarnitineの蓄積が指摘され1),FFAのミトコンドリア内への輸送に必須の物質であるカルニチンの役割が注目されている2,3)。著者らはすでに,急性虚血心筋において,freecarnitineの減少,long chain acyl CoAとlong chainacylcarnitineの蓄積,およびATPの減少を認め,これらの変化がいずれもL-カルニチンの投与により軽減することを報告した4,5)。
一方,カテコールアミンの虚血心筋に対する有害作用の機序として,心仕事量増加による相対的心筋酸素不足6),カルシウムイオンの細胞内流入増加によるCa++overloading7)などとともに,カテコールアミンにて誘発される高FFA血症の関与も指摘されている8)。そこで今回は,エピネフリンおよびイソプロテレノールの心筋FFA代謝に及ぼす影響とそれに対するL-カルニチンの予防効果について検討した。
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