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特集 カテコールアミン研究最近の進歩
心筋収縮に対するカテコールアミンの作用機序
Mechanism of positive inotropic action of catecholamines
遠藤 政夫
1
Masao Endoh
1
1東北大学医学部第2薬理学
12nd Dept. of Pharmacology, Tohoku Univ.
pp.3-13
発行日 1983年1月15日
Published Date 1983/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204142
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近年の生化学的・電気生理学的さらには薬理学的研究方法の進歩により,カテコールアミンの心筋収縮力に対する作用機序の理解は著しく高まった。これらの進歩はカテコールアミンによるβ—リセプター刺激の細胞内情報伝達物質としてのcyclic AMPの役割の解明をめぐってなされてきた。
心筋細胞におけるcyclic AMPの作用機構の細部に関してはまだ不明の点も多いが,大筋においては図1に示したような機序によりカテコールアミンのβ—リセプターを介する心筋収縮性制御は行なわれると考えられている1,2)。すなわちカテコールアミンと心筋細胞膜外側に存在するβ—リセプターとの結合にひき続いて,Adenyl—ate cyclaseが活性化され,ATPからcyclic AMPが生成される。cyclic AMPはcyclic AMP依存性proteinkinaseの活性化を介して心筋細胞膜および心筋小胞体(SR)膜さらには収縮蛋白を燐酸化することによって,蛋白構造変化を起こし,心筋の興奮収縮連関に中心的な役割を演じているCa2+の動態を修飾することにより収縮性制御を行なう3〜6)。
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