Japanese
English
Bedside Teaching
気管支喘息患者の重症度判定と対応
Classification of asthma severity and treatment
工藤 宏一郎
1
,
宮本 昭正
1
Koichiro Kudo
1
,
Terumasa Miyamoto
1
1東京大学物療内科
1Dept. of Physical Therapy and Internal Medicine, Univ. of Tokyo
pp.1225-1231
発行日 1982年12月15日
Published Date 1982/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204130
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一般的に疾病の重症度とは,形態学的異常や機能的異常に基づいて,予後の予想も考慮された疾患の重篤度を示すものである。気管支喘息は,「気道の異常過敏性を特徴とし,可逆的で広範な気道狭窄の症状を呈する疾患である。」(1962年,アメリカ胸部疾患学会)と定義されるように,経時的に変動する呼吸困難発作と可逆的な気道収縮と気道粘膜浮腫,炎症を特徴とするものである。従って必ずしも気管支喘息の重症度と前述した疾患の重篤度が一致するものでない。これまで,本邦,外国で数多くの気管支喘息の重症度基準が提出されてきた。数多く提出されているということは,その基準について見解の一致がなかったということであり,その理由は,前述した気管支喘息疾患の特長が原因していると思われる。しかし,個々の発作の軽重を判定したり,予後の予測をすることは治療方針にからんで重要なことである。特に難治化,死亡の可能性が高いと考えられるような時には早急な対策が必要になる。また治療効果を判定する際にも,患者の症状の客観的な指標が必要であろう。
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