病態生理—最近のトピックス
気管支喘息—アレルギーを基調にして
宮本 昭正
1
1東大物療内科
pp.1648
発行日 1971年10月10日
Published Date 1971/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203877
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気管支喘息の病因について
"可逆的な広範な気道閉塞性の発作的な変化によって症状をあらわす疾患"を気管支喘息とよんでいるが,気管支喘息の病因には種々の因子が考えられている.たとえば自律神経の失調,内分泌調節異常,感染,精神神経的要因,気道の過敏性,アレルギー,最近ではβ受容体の遮断状態などである.そのいずれにもそれ相応の根拠があるわけであるが,そのいずれをより重視するかは国や各個人の研究過程や臨床的経験により異なる.これは気管支喘息の病因の多元性を示すものである.しかも,おのおのの因子がそれ単独で病因をなしていると考えられる場合もあるが,二重にも三重にも重なり合って発病に関与していると考えられる場合が多い.しかし現在では,気管支喘息はアレルギーを基調にして発症している場合が多いと広く考えられるようになった.
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