呼と循ゼミナール
気道における非アドレナリン作動性抑制神経について(6)
相沢 久道
1
1九州大学医学部附属胸部疾患研究施設
pp.1112
発行日 1982年11月15日
Published Date 1982/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404204109
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VIP(vasoactive intestinal polypeptide)は1970年Saidら19)によって豚の腸管粘膜から単離同定されたアミノ酸28個よりなるpolypeptideである。はじめ消化器系に見出されたVIPはその後,中枢神経系をはじめとして生体内に広く分布することが明らかとなり20),呼吸器系では気道にVIP様物質が存在することが報告されている21)。その作用は多岐にわたっており,血管系に対しては血管の拡張あるいは血圧低下作用,呼吸器系に対しては気管支の拡張作用,消化器系では胃の弛緩作用などがあり,種々の生理活性を有している。VIPの気道に対する作用機序に関しては,摘出気管筋に対する弛緩作用が交感神経遮断剤によっても影響されないことが知られている22)。
はじめ,VIPと非アドレナリン作動性抑制神経(NAIS)との関連性についての報告は1978年Fahren—krugら23)のネコを用いた実験にみることができる。
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