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特集 呼吸不全の病態と治療
一側肺ハイポキシアのPaO2におよぼす影響
Influence of unilateral lung hypoxia on PaO2
沼田 克雄
1
Katsuo Numata
1
1横浜市立大学麻酔科
1Dept. of Anesthesiology, Yokohama City University
pp.13-20
発行日 1982年1月15日
Published Date 1982/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203905
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一側肺に,換気停止または窒素換気で,alveolar hy—poxiaを作ったとき,PaO2の値がどう影響されるか,臨床および動物実験の結果を呈示しつつ考察を加えてみたい。とくにここで意識して論じたいのは,いわゆるalveolar hypoxic pulmonary vosoconstriction (HPV)である。
HPVについては,von EulerとLiljestrandを嚆矢として幾多の報告がある。ところがこれらの報告の多くは,肺動脈圧,肺血管抵抗,肺血流などの測定によるものであって血液ガスの変化をも示しているものが意外に少ない。また,alveolar hypoxiaを作り,測定した時間的経過はたかだか5〜20分程度のものがほとんどで,長時間にわたる観察がきわめて乏しい。HPVの現象そのものの検討については,従来の多くの報告者のように,肺血流動態を直接反映するような指標の測定が至当であろう。
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