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特集 ハイポキシアへの耐性
ハイポキシアと骨格筋代謝
Effects of Hypoxia on Skeletal Muscle Metabolism
沓澤 智子
1
Tomoko Kutsuzawa
1
1東海大学健康科学部
1School of Health Science, Tokai University
pp.581-587
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901911
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ハイポキシアに対する骨格筋の反応は,筋線維内の生化学的・生理学的過程が関与する複雑なもである.慢性のハイポキシアのモデルとして,以前から検討されているのは,高地(低圧性ハイポキシア)への順化・適応である.病的な慢性ハイポキシアとしては,慢性呼吸不全・慢性心不全・末梢動脈閉塞性疾患があげられ,近年これらの疾患の運動耐性の低下と筋肉自体の変化に関心が寄せられている.
ハイポキシアの筋肉への影響を検討する際の大きな問題は,観察された変化がハイポキシアのみによると断定できないことである.例えば,高地順化では,寒冷や食欲の低下,運動量の減少などが筋肉の形態学的変化や代謝に影響を与える可能性がある.同様のことが病的なハイポキシアでもいえ,活動度の低下,栄養状態の悪化・動脈血のpHの変化や高二酸化炭素血症などが影響を与える.
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