Japanese
English
特集 ハイポキシアへの耐性
終末酸化機構からみたハイポキシアの限界
Tolerance of Cell-Metabolism Under Hypoxic Conditions:Perspective from terminal oxidation
竹下 啓
1
,
山口 佳寿博
1
Kei Takeshita
1
,
Kazuhiro Yamaguchi
1
1慶應義塾大学医学部内科
1Department of Medicine, Keio Uuiversity
pp.545-550
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404901906
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
ヒトを含めすべての動物は酸素を用いた(好気性)エネルギー生成を行っており,生命の維持に酸素は必須である.この好気性反応はミトコンドリアで行われる酸化的リン酸化によるアデノシン3リン酸(ATP)を合成するもので,生体の主要なエネルギー産生系である.基質として酸素を必要とする酵素は100を越えると考えられているが,ハイポキシアによる細胞への影響のなかでエネルギー産生不全が最も重要とされている1).エネルギー産生不全により細胞は傷害を受け,最終的には死に至る.また,ハイポキシアは,酸素依存性の種々なる酵素活性あるいは遺伝子発現に直接影響を与え,細胞の機能を修飾することが知られている.
本稿ではハイポキシアが細胞酸化機構に与える影響.遺伝子発現櫟構について概括する.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.