Japanese
English
解説
開胸の病態生理
Physiological disorders during and after the thoracotomy
米山 武志
1
Takeshi Yoneyama
1
1国立がんセンター外科
1Dept.of Surgery, National Cancer Center
pp.1035-1042
発行日 1981年10月15日
Published Date 1981/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203854
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「開胸」とは,外科技術的な用語であり,外科的診断あるいは治療を遂行するための一操作を意味している。そこに発生する病態は現象的には開放性気胸であるが,それが意図的な気管内麻酔下に発生するのが通例である。
したがって,開胸の病態は,1側胸腔(時に両側胸腔)の開放と気管内陽圧換気という肺呼吸生理にたいする2つの物理的影響の集合したものと理解することができる。陽圧換気全身麻酔法は,開胸中の体循環系全臓器組織の生理機能を安定維持するために必要な換気量を確保すること,ならびに肺循環・右心系機能の負荷を軽減するための肺血管床容積を維持することを目的とする不可欠の処置であるが,それ自体,肺内ガス・血流分布,さらに中枢循環系機能にたいして,非生理的な物理的影響をあたえる。
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