Japanese
English
特集 術後早期の再手術
肺手術と再開胸
Pulmonary resection and it's reoperation
片岡 一朗
1
,
三樹 勝
1
,
田村 聖
1
,
鈴木 和徳
2
,
桜井 凱彦
2
Ichiro KATAOKA
1
1日本医科大学第1外科
2日本医科大学第2外科
pp.1333-1339
発行日 1970年9月20日
Published Date 1970/9/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205199
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まえがき
近時,肺切除術は胸部外科の著しい進歩により,きわめて普遍的に行なわれている術式となつて,その成績はほぼ満足すべき域に到達している.かく普及した術式においても,ときに些細な手術操作のミスにより致命的な危険性を招来することがあり,また思わざる偶発事故の因ともなるので,胸腔内の解剖学的関係を充分に理解して,手術を行なうべきで,肺切除後の再開胸の原因としては術後出血,胸腔内血腫形成などが挙げられる.一般に早期再開胸の原因としては手術操作のミスによると思われることが多いので,平易な手術手技においても注意深く,手術操作を進めるべきである.
肺切除は開胸,胸腔内操作と,手術時間は長くなり,組織損傷は広汎にわたるため,したがつて出血量は多くなつて,患者への侵襲は大きく,そのうえ術後出血,緊急再開胸となると,患者に与える心理的影響も強く,手術者としては再開胸の適応,その手術時期の決定には一層の勇気をもつて決断する要がある.したがつて手術前には出血傾向の存否を調査し,その予防対策を講じたうえで,手術には再開胸を招来しない確実な手術が行なわれなければならない.
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