Japanese
English
綜説
気管支喘息患者におけるウイルス感染の意味—殊にインターフェロンの役割について
Significance of Viral Infection in Patients with Bronchial Asthma:Role of Interferon
井田 士朗
1
,
滝島 任
1
Shiroh Ida
1
,
Tamotsu Takishima
1
1東北大学医学部第1内科
1The First Department of Internal Medicine, Tohoku University, School of Medicine
pp.800-806
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203816
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I.上気道感染と気管支喘息
気管支喘息(以下喘息)の発作がカゼなどの上気道感染を契機に再燃したり,症状が悪化したりすることは日常よく経験することである。McIntoshら1)の報告によれば,ウイルス性の上気道炎を起した小児喘息児でしばしば発作の増悪がみられるが,細菌性のものはほとんど問題にならないという。即ち彼等の観察によると32名の喘息児が入院中に延べ139回の発作を繰り返したが,その発作の度毎に上気道感染の有無について自覚症状,理学的所見などをチェックすると同時に,咽頭ぬぐい液についてウイルスの分離,同定を行なったところ,52件,42%に何らかのウイルスが分離された。これらのうち最も多く分離されたのはRespiratory Syncytial Virusであり,次いでParainfluenzavirus Type 2そしてCoronavirusであった。
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