巻頭言
狭心症
飯村 攻
1
1札幌医科大学第2内科
pp.799
発行日 1981年8月15日
Published Date 1981/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203815
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事象を納得し,疑問を持たなくなれば,科学者たる所以は失われたも同然といわれる。それはともあれ,日常の臨床・研究では何とも疑問の多いことか。またそれを解きほぐす術,ひいては才のなさに唖然ともする。
狭心症という言葉は使われて久しい。歴史的な言葉の1つとすらいえる。最近は虚血性心臓病というより大きな疾患の領域に包含され,その発症機序は,相対的であれ絶対的であれ,心筋への供給血液量の欠乏によると理解される。至極もっとものように思える。しかし,ひるがえって,この疾患の多彩な病態や発症機序の細部を考えると,現状の諸説をしても,必ずしも納得ばかりはしておられない。
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