Japanese
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綜説
気管支喘息の発症・急性増悪に及ぼすウィルス感染の役割
Roles of Virus Infection in the Pathogenesis of Bronchial Asthma
松元 幸一郎
1
Koichiro Matsumoto
1
1九州大学大学院医学研究院附属胸部疾患研究施設
1Research Institute for Diseases of the Chest, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University
pp.845-853
発行日 2006年8月1日
Published Date 2006/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404100439
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はじめに
気管支喘息はアレルギー性,非アレルギー性の如何を問わず,1型ヘルパーT細胞(Th1)と2型ヘルパーT細胞(Th2)のバランスが後者に傾くことによって生じる炎症性気道疾患であり,気道過敏性や可逆性の気道収縮,気道過分泌や気道リモデリングなどの病態が形作られる.その発症や急性増悪において,しばしばウィルスの感染が関与していることが以前から知られていた.
本稿では,respiratory syncytial virus(RSV)感染と喘息発症の関連,およびライノウィルス感染と急性増悪の関連を中心に解説し,その病態生理学的意義について議論したい.
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