けい肺症患者におけるN2クリアランス曲線分析値IDIに関する検討

Studies on multiple breath nirogen washout test (IDI) in patients with pulmonary silicosis

　重症肺疾患患者において，呼吸機能障害の程度を知ることは，治療法の選択および予後の判定にきわめて重要であるが，スパイログラムをはじめ，その他の多くの検査法は，患者の高度の努力を伴う協力を必要とし，そのために重症肺疾患患者では実施不可能なことが多い。この場合には，一般に，動脈血ガス分析による情報が唯一となり，他の情報を入手することはほぼ不可能となりがちである。近年，多呼吸によるN₂ガス洗い出し曲線の検査法において，換気機能障害を表わす指標としてInspired gas distribution index　（IDI）^1,2）が導入され，広く用いられつつあるが，この検査法は重症肺疾患患者にも実施可能である。この検査法がこれら重症肺疾患患者の換気機能障害の程度を知るための有用な指標となりうるかどうかを検討した。

To search a convenient and valuable ventilatory function test which can be performed in critically ill patients, the inspired gas distribution index by multiple breath nitrogen washout test (IDI) was revaluated in 194 pulmonary silicotic patients.

The results were as follows: