Japanese
English
Bedside Teaching
最適なPEEP
Best PEEP
杉本 寿
1
,
杉本 侃
1
Hisashi Sugimoto
1
,
Tsuyoshi Sugimoto
1
1大阪大学特殊救急部
1Dept. of Traumatology, Osaka Univ.
pp.1265-1269
発行日 1980年11月15日
Published Date 1980/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203667
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重度外傷手術,ショックなどの侵襲後には,しばしば急性かつ進行性の低酸素血症が発生する。この急性呼吸不全はARDS (adult respiratory distress syndrome)と呼ばれ,その高い死亡率のために恐れられてきた。1969年,Ashbaughらは呼気の終末を陽圧に保つこと(PEEP: positive end-expiratory pressure)によって,治療成績が著しく改善されることを発見した1)。この報告以来,PEEPはARDSの治療,さらには予防手段として広く臨床応用されている。
一般にPEEPがARDSの治療手段として用いられるのは,動脈血酸素分圧(PaO2)の上昇を目的としてであるが,PEEPは同時に心拍出量を低下させるうえ,気胸,気縦隔などのbarotraumaをひきおこすことが知られている。このため適応やPEEP値の選択を誤ると,PEEPは悪い影響だけを与える結果となる。
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