特集 カテコールアミンと心臓
巻頭言
特集に当って
伊藤 良雄
1
1三楽病院
pp.1095
発行日 1980年10月15日
Published Date 1980/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203641
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アドレナリン,ノルアドレナリンに代表されるカテコールアミンと循環器系とのかかわり合はVon Euler以来まことに長い歴史を経て今日の如き確固たるものになった。この間Ahlquistのα,β—受容体仮説も,それぞれの遮断剤の開発により定説として固まりつつある。またSutherlandらによるadenyl cyclase, second mes—sengerとしての3', 5'cyclic AMPの発見は細胞レベルにおける作用機序の解明に一大進歩をもたらした。一方カテコールアミンは単に血行力学的な面のみならず代謝面においても種々の作用を有し,これがまた心脈管系の機能に効果を現わすことも知られている。
臨床面においては高血圧症,虚血性心疾患の発生機序,心機能保持,ことに心不全時の代償機構における役割などがカテコールアミンが関与する大きな分野であると考えられるが,この方面の研究も着実にその成果を積み重ねつつある。
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