呼と循ゼミナール
肺における免疫学(1)
螺良 英郎
1
1徳島大学第3内科
pp.545
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203573
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臓器にはその生理機能の上から特性があり,それに基づく疾病で体系づけられている。呼吸器病学にあって呼吸と循環の主要な生理機能の立場から肺疾患の特異性がこれまで体系づけられてきた。この生理学を中心とした考えに,生化学,とくに呼吸—肺循環における代謝の研究が加えられ,さらに最近では進歩の著しい免疫学の知識や研究手技が呼吸器病学にとりこまれつつある。しかし肺における免疫学は決して新しいものではない。外来性の抗原の侵入門戸としての気道,肺にあってはアレルギー反応の場として重要であることは気管支喘息や,肺結核で認められてきた古い研究の歴史がある。しかし免疫学のなかでも免疫生物学の華々しい展開は肺疾患の病因論に新しい見解を加えつつある。
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