学会印象記 第12回国際輸血学会—国立モスクワ大学
免疫学
遠山 博
1
1群馬大学第一外科
pp.84-85
発行日 1970年1月20日
Published Date 1970/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407205019
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1969年8月17日より220までソビエト連邦のモスクワ市で開かれた第12回国際輸血学会に出席する機会を得た.本学会が共産圏で開かれたことは初めてであるが参加者が多く盛会であつた.ソ連では学者のみならず,政府も非常に本学会に力を入れたそうで,コスィギン首相がわざわざプラウダ紙に歓迎のメッセージを寄せたほどである.しかし政治色は全く感ぜられず,純然たる学術集会であつた.外人学者をその規模世界一といわれるホテル・ロシヤにほとんどまとめて宿泊せしめ,また英・仏・露語の同時通訳が6つの会場全部に行なわれるという豪華さで,またその会場もわれわれ日本人にとつてはびつくりするほど壮大なモスクワ大学であつた.演題の合計は711題で,この中特別講演が26題あつた.筆者はこのうち免疫に関する部門のみについて簡単に報告する.
本学会は輸血学におけるもろもろの題目を網羅しているが,全体が34のsessionに分れている.この中から免疫に関係の深い7つのsessionをとりあげてみると,その題目名は①Transplantation Immunology 22題中ソ連出題11題,②Immunosuppression(19題中14題,以下同様),③Immunology of Blood Cells and Serum Protein(18題中5題),④Transplantation of Hemopoietic Tissues Graft-V.
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