呼と循ゼミナール
肺における免疫学(2)—sIgAについて
螺良 英郎
1
1徳島大学第3内科
pp.890
発行日 1980年8月15日
Published Date 1980/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203615
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肺の免疫機構を司るリンパ系組織としてbronchus associated lymphoid tissue (BALT)がある(図1)。これはちょうど腸管のgut associated lymphoid tissue(GALT)に対応するもので,外界に直接接触している気道における感染を含めての防御機構としてもつ意義は大きいが,逆にその精しいメカニズムが分っていない分野でもある。こうした防御機構は局所的であって,局所免疫に相当するものでもある。この局所免疫では主役を果しているものが,sIgA (secretory immunoglobulin A)系である。
血清中の免疫グロブリンではIgGが主体であって,IgAはminor immunoglobulinであるが,外界に面する外分泌物中にあっては逆にmajor immunoglobulinとなっている。それは血清由来と共に局所産生があるためでもある。
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