巻頭言
細胞レベルにおける呼吸
奥秋 晟
1
1福島県立医科大学麻酔科学教室
pp.451
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203556
- 有料閲覧
- 文献概要
吾々が麻酔をはじめた頃は,麻酔中の心電図をとることで仕事になった時代であり,今昔の感があるが,そのなかでの不整脈は内科方面にも,教科書的な典型的症例の何例かを提供したものであった。その頃より"呼吸と循環"誌は吾々麻酔科医に呼吸と循環の基礎的,病態生理学的知識の供給源であり,アイデア源であった。そんなわけで,今回編集子より本誌の巻頭言を書くようにと依頼を受け,もう巻頭言を書くようになったかという感慨と,一方,巻頭言を書くほどの仕事をしたろうかととまどっているところである。
そもそも呼吸と循環は生命の根源であり,ventilationで肺胞に達した酸素は,diffusionにより血中に移行し,circulationにより組織に運搬されdiffusionされる。一方酸素の消費の結果生じた炭酸ガスは,その逆のコースをたどり外気に排泄される。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.