Japanese
English
綜説
肺水腫
Recent topics of pulmonary edema
井上 洋西
1
,
井上 千恵子
1
Hiroshi Inoue
1
,
Chieko Inoue
1
1東北大学第1内科
11st Dept. of Inter. Med., Tohoku Univ.
pp.452-461
発行日 1980年5月15日
Published Date 1980/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203557
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近年内外で肺水腫の問題が多くの研究者に注目されつつある。これは特に最近の電顕,生化学の分野の進歩をはじめとし,血液循環,浸透圧の測定技術の向上,sheepあるいはgoatを用いた慢性肺リンパ瘻造設技術が確立されるに至って,肺水腫の細部に至るメカニズムの検討が可能になってきたことによると考えられる。また肺水腫の研究分野もこれまでの肺のmicrovesselの圧上昇による肺内水分貯留増加(high pressure edema)やmicrovesselの内膜(endothelium)の変性によるper—meability edema等として単純に分類しえないいくつかの因子が複雑に絡んでいると考えられるhigh altitude,ARDS,pulmonary embolism,hypoxia,hypercapnea,カテコールアミン,ヒスタミン投与,脳圧亢進,迷走神経刺激等に付随する肺水腫の個々のメカニズムの解明も検討の対象になってきている。
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