技術解説
検査室レベルでのT細胞とB細胞の測定
岡部 洋太郎
1
,
河野 均也
1
,
大塚 昌子
1
,
大和田 礼子
2
1日大臨床病理
2日大板橋病院険査科
pp.695-703
発行日 1975年7月15日
Published Date 1975/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542909024
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形態学的にリンパ球として一括して考えられてきた細胞集団は,近年その免疫応答,免疫監視という機能的な面から,大きく2種類に分類されるようになった.すなわち,胸腺に支配されるT細胞(thymus derived lymphocyte)と,ヒトにおいては未だその支配器官は確認されていないが,トリにおいてはファブリチウス嚢に支配されるB細胞(bone marrow derived lymphocyte)である.免疫応答を大きく細胞性免疫と体液性免疫とに分けるなら,T細胞は前者,B細胞は後者に主として働く.したがって,生体の免疫機能を知るうえには①T細胞およびB細胞の絶対数算定,②T細胞およびB細胞の機能測定という組み合わせが必要になる.T細胞,B細胞の検索には多数の方法が開発されているが,ここでは臨床検査として実施可能なロゼット形成試験,PHA添加リンパ球培養試験,および細胞表面免疫グロブリンについて簡単に述べる.
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