Japanese
English
Bedside Teaching
レスピレーターとその適応
Respirators and their clinical applications
瀬戸屋 健三
1
,
大和 玲子
1
,
白幡 真知子
1
,
小沢 卓夫
1
Kenzo Setoya
1
,
Reiko Yamato
1
,
Machiko Shirahata
1
,
Takao Ozawa
1
1東京厚生年金病院麻酔科
1Dept. of Anesthesiology, Tokyo Welfare Pension Hospital
pp.251-256
発行日 1980年3月15日
Published Date 1980/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203531
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足踏み式のふいごを用いて人間の蘇生を試みた16世紀のむかしから,試行錯誤をくりかえし幾多の変遷をへたのち現代の精密なレスピレーターの普及にいたったわけであるが,大きな進歩の背景には,最近30年間の呼吸循環生理学的知識の革新と,電子工学的技術の発展が大きく貢献しているといわざるをえまい1,2)。
鉄の肺にかわって間欠的に気道に陽圧を与える換気法の優位が立証されたポリオ呼吸麻痺の世界的流行(1952〜60年)に始まり,呼吸管理を専門に扱うIntensive Care Unitの開設(1958年以降),電極法を使った迅速な血液ガス分析器の普及,ベトナム戦争で経験された重度外傷後に発生する重篤な呼吸不全の認識とこれに対抗するパワーフルな従量式換気法の再評価,A.R.D.S.(Ashbaugh 1971年)やA.R.F.(Pontoppidan 1973年)とか敗血症肺(Clowes 1975年)などの名称で呼ばれる急性肺障害の病態の認識や,ショック,D.I.C.など全身障害と肺,他臓器の障害と肺の相関などの理解が,今日までの呼吸管理を発展させてきた原動力といえるものであろう。
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