臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
治療篇
9.呼吸の人工管理—レスピレーター
岡田 和夫
1
1帝京大麻酔科
pp.2017-2020
発行日 1976年12月5日
Published Date 1976/12/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206945
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原理
呼吸困難,チアノーゼ,呼吸不全などで積極的に人工呼吸を施行して,肺胞まで酸素を送り込み,炭酸ガスを排泄させる方法である.従来は「鉄の肺」で代表される方式の,胸郭を外から膨張,圧迫してガスを二次的に気道から出入させる方法がとられたが,今日ではこの方法はすたれてしまい,気道に直接ガスを送り込む方式がとられ,人工的に気道に圧を加えることが第一のステップで,これが吸気となる.呼気は加圧により膨らんだ肺および胸郭の弾性によりバネが縮むようにして行われる.
救急蘇生法 人工呼吸は救急蘇生法の中で最も迅速かつ有効に施行されねばならないアメリカのSafarらが提唱したABCの手順でも,A=Airway,B=Breathe(人工呼吸),C=Circulateでみるように,呼吸の管理,すなわち気道の確保(A)と人工呼吸(B)が実施されながら循環対策(C=心マッサージ)が行われねば効果がうすいことを示している.
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