呼と循ゼミナール
呼吸の中枢生理における諸問題をめぐる最近の研究動向(3)
福原 武彦
1
1東京慈恵会医科大学薬理学
pp.1100-1101
発行日 1979年10月15日
Published Date 1979/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203448
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7.呼吸中枢の局在と機能構成に関する学説
前世紀初頭以降,今日に至る呼吸中枢に関する研究には長い歴史がある1,4,7)。19世紀中葉,Rosenthal (1865)のin situ神経軸の一部を遊離する実験により,呼吸運動維持のためには中脳下丘から脊髄第6頸髄節までの神経構造を必要とすることが確証されて以来,現在までに中枢神経軸の部分的切除または切離,局所破壊,電気的あるいは化学的刺激,ニューロン単位活動導出など,種々の研究法を用いた多くの研究が続けられてきた。そして今日,外来刺激の関与なしに,内因性に呼吸リズムを形成し,呼吸調節の中枢性統合機能をもつ神経機構が脳幹に存在することについては国際的にも呼吸の中枢生理を専門領域とする研究者らの意見が一致している。
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