Japanese
English
Bedside Teaching
特発性浮腫
idiopathic edema
関 清
1
,
小林 進
1
Kiyoshi Seki
1
,
Susumu Kobayashi
1
1東邦大学第三内科
13rd Dept. of Int. Med., Toho Univ.
pp.289-293
発行日 1979年3月15日
Published Date 1979/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203336
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I.概念・名称
浮腫は通常心不全,腎炎,ネフローゼ,肝硬変,甲状腺機能低下症,栄養障害,薬剤,静脈血栓,リンパ管閉塞など色々な原因で発生し,臨床的にもそうした原疾患別の分類がなされている。その発生機序は,全部に亘って完全に解明されている訳ではないが,概ね妥当な解釈がなされており,これらの浮腫の診断は通常それ程困難ではない。またこの他にも浮腫を示す疾患や状態は色々ある。例えば糖尿病,妊娠,老人,更年期,肥満,甲状腺機能低下以外の内分泌疾患などである。これらの疾患では,浮腫に連なる異常検査所見を発見することは容易であるが,色々な原因が混在しているので,その中の何が主役であるかを決めることは必ずしも容易でない。いわゆる診断困難な浮腫である。さらにこの外に,原因を見つけることがきわめて困難なものもある。
このように通常考えられる浮腫の原因が全くみつからない全身性浮腫で,成人女性にみられ,しかも体位その他により著しく変動するなど,浮腫の性状にかなりの特徴を有するものを,特発性浮腫idiopathic edema1)と呼んでいる。除外概念なので,将来原因の異なるいくつかの疾患に分れる可能性があろう。
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