特集 肺高血圧症
肺高血圧症に関連する肺血管成分および血管外成分の変化について—病理学的側面より見て
細田 泰弘
1
1慶応義塾大学医学部病理学教室
pp.13-20
発行日 1979年1月15日
Published Date 1979/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203298
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肺高血圧症の発生と進展には肺血管系のみならず,肺を構成する血管以外の成分に生ずる種々の病変が関与している。
一般的には肺血管系の病変は肺実質・肺間質系の病変とほぼ平行して進行するが,血管をとりまく他の構成要素の変化が血管系の変化に先行することが多い。たとえば間質性肺線維症の場合,肺胞隔壁における線維化の結果として肺胞毛細血管床の閉塞が生じ,また血管周囲間質における線維性組織の増殖によって,肺動脈系・肺静脈系の狭窄が起り肺高血圧症が発生すると理解されている。もちろん,この場合,肺胞隔壁の線維化による拡散障害も肺高血圧症の一因として考慮されるべきであろう。
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