特集 Idiopathic fibrosing alveolitis
Idiopathic fibrosing alveolitis(IFA)—その臨床,心肺機能および治療法について
Ulrich H. Cegla
1
,
村尾 誠
,
本間 日臣
1Leading consultant of the pneumological department, University Freiburg
pp.29-34
発行日 1978年1月15日
Published Date 1978/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203144
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間質性線維化肺疾患の諸型のなかで,既往歴,諸検査,生検組織像においてその原因が不明のものを特発性線維化肺胞炎と呼んでいる。本症の報告例数は今日増加している。診断可能性が向上したことと,真の発生率増加のためであろう。IFAは,1)家族性遺伝性の型(全例の約25%),2)後天性の型(全例の75%)とに分類しうる(Gaenslerら1972)。また組織学的に,肺胞隔壁型(80%)と細胞剥離型(20%)とに区別されうる。DeRemeeら(1973)によれば,IFAの90%は上記2型の混合型である。経過については急性型,慢性型,再燃型に区別される。隔壁型では男女同数であるが,剥離型では2:1で男に多い(WockelとMeerbach1972)。遺伝型では1.43:1で女に多い。年齢分布は,隔壁型では2つのピーク,9歳までの1つと50〜59歳の1つとがある。遺伝型では9歳までとくに女に多く,第2のピークは男では30〜39歳,女では40〜49歳にある。Liebowら(1965),Gaenslerら(1966)の以前の報告とは異なって,剥離型の患者が隔壁型のそれに比較して初発年齢が若いという傾向は認められない。Patchefsky(1973)によれば,初発年齢は平均約50歳である。
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