Japanese
English
原著
Mixed Connective Tissue Disease(MCTD)患者の皮膚にみられた血管病変
Vascular Lesions in Skin of Mixed Connective Tissue Disease (MCTD) Patients
沢井 高志
1
,
佐藤 紀子
1
,
京極 方久
1
,
三友 紀男
2
Takashi SAWAI
1
,
Noriko SATOH
1
,
Masahisa KYOGOKU
1
,
Norio MITOMO
2
1東北大学医学部第一病理学教室
2東北厚生年金病院リウマチ膠原病科
11st Department of Pathology, Tohoku University School of Medicine
2Department of Rheumatology, Tohoku Kosei Nenkin Hospital
pp.307-312
発行日 1985年4月1日
Published Date 1985/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203230
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Mixed connective tissue disease(MCTD)患者5例を対象に,皮膚にみられる血管病変を光顕的,電顕的に観察した.その結果,血管病変としては,1)真皮層上部にある毛細管の拡張,周囲の浮腫および炎症性細胞の浸潤,2)真皮層深部にある小動脈の硝子化,線維化,3)真皮層深部から皮下組織にみられる静脈の硬化像が特徴的であった.電顕的にはvcsicular transportの旺盛な賦活化された内皮細胞と周囲にマクロファージ,リンパ球,線維芽細胞が認められている.また肥厚した小動脈壁ではmyointimal cellの増殖とプロトコラーゲンや基底膜様物質の沈着が認められた.しかし,これら血管病変に関して免疫複合体の関与は全く認められなかった.MCTDの血管病変の発生機序は未だ不明な点が多いが,内皮細胞を通して何らかの物質が血管壁あるいは外膜側に出て,中膜筋細胞の傷害,賦活化と共にリンパ球,マクロファージを動員して線維化へと発展していく可能性を示唆している.
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