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僧帽弁狭窄の予後は,狭窄による心機能障害の程度だけではなく,脳塞栓などの合併症によっても大きく左右される1)。この意味では軽症例でも積極的に外科的治療の適応とし,異常血行動態の改善を図り,合併症を予防すべきと思われる。
本症の外科的療法として閉鎖式または直視下交連切開術,弁下形成術,人工弁置換術などの手術法が僧帽弁病変の程度に応じ施行されている。このうち人工弁置換術は近年Xenographtなども使用されているが,まだ術後管理上にも問題があり,現状ではやはり自己弁を温存する交連切開術が,より望ましい方法と考えられる。したがって術前に狭窄弁の弁口面積を予測すると共に弁病変の部位,程度を把握することは手術時のみならず,手術適応を決める上でも重要である。古賀ら2)は超音波心エコー図Mモードスキャン法による僧帽弁エコーの性状から手術適応に関する考察を行ったが,本論文では高速度超音波断層法による僧帽弁狭窄例の僧帽弁性状の術前診断の可能性につき検討を試みた。
In order to detect the structural lesion in the mitral valve apparatus, real-time cross-sectional echocardiographic study was performed using Toshiba Sonolayergraph SSL 51 H in 45 cases with pure mitral stenosis (mitral orifice size ≦ 2.0 cmp2) who underwent open heart surgery subsequently (commissurotomy in 35 cases, mitral valve replacement in 10 cases).
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