Japanese
English
Bedside Teaching
心不全の血管拡張剤療法
Vasodilator therapy in heart failure
木全 心一
1
,
高橋 早苗
1
,
広江 道昭
1
,
長村 好章
1
,
鈴木 章子
1
,
松村 研二
1
,
松本 直行
1
,
広沢 弘七郎
1
Shinichi Kimata
1
1東京女子医科大学日本心臓血圧研究所内科
1Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.863-872
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203247
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I.血管拡張剤療法の理論根拠
心不全の治療は現在でも,心筋の収縮力を強めるジギタリス剤と,余分の水分を除去する利尿剤が中心であるが,これのみで対処できない重症心不全に対して,cathecholamineと血管拡張剤が広く用いられるようになって来た1)。
重症心不全の患者に対する時,相反する二つの問題にぶつかる事がある。重症心不全を生じて来た,傷みきった心臓にむやみに鞭をあてたくない。cathecholamineを用いて心拍出量がふえたとして,一概に喜ぶ気になれないし,長い目でみた時,心臓をもっと保護した方が,患者が長生きできるのではと考える。しかし,一方心臓の保護ばかり考えて,血圧が下がり脳などに虚血を生じたり,尿量がおちて全身に水分が増加したり,肺うっ血により呼吸困難のままにしておくことも,患者の為にならない。心臓とその他の全身に対する影響の得失を考え,cathecholamine,血管拡張剤を上手に使い分けて行く必要がある。
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