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講座
心筋梗塞を併発した解離性大動脈瘤—非定型的心筋梗塞
Myocardial infarction caused by the dissecting aneurysm of the aorta
堀江 俊伸
1
,
関口 守衛
1
,
山口 いづみ
1
,
小松 行雄
1
,
広沢 弘七郎
1
Toshinobu Horie
1
,
Morie Sekiguchi
1
,
Izumi Yamaguchi
1
,
Yukio Komatsu
1
,
Koshichiro Hirosawa
1
1東京女子医科大学附属日本心臓血圧研究所
1Department of Internal Medicine, The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.229-237
発行日 1978年3月15日
Published Date 1978/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203169
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急性心筋梗塞はほとんどの症例において,粥状硬化を基盤とした冠状動脈内膜膠原線維の破綻部に血栓が形成されることによって起ると考えられている1,2)。しかしその他にも非定型的なものとして,多くの原因が知られている1,2)。そのうちの一つとして,解離性大動脈瘤の血腫によって冠状動脈入口部が圧迫狭窄され,心筋梗塞を併発することがこれまでにも報告されている3〜8)。しかしその数は決して多くはなく,従って系統的な検索はなされていない。
解離性大動脈瘤と急性心筋梗塞とは激しい胸痛,背部痛を伴うことでたえず鑑別しなければならない疾患である。ことに治療上,抗凝固剤や降圧剤の使用の際には,とくに重要である。一般に解離性大動脈瘤では心電図上梗塞波形を示さない。しかし時には梗塞波形を示すことがあり3〜15),その場合には解離性大動脈瘤に続発したものかそうでないか鑑別することはきわめて困難である。
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