Japanese
English
原著
手術患者における組織酸素レベルの変動について
Tissue PO2 Measurement and its Changes in Surgical Operations
麻生 宰
1
,
辻 秀男
1
Tsukasa Asoh
1
,
Hideo Tsuji
1
1九州大学温泉治療学研究所外科
1Department of Surgery, Institute of Balneotherapeutics, Kyushu University
pp.599-605
発行日 1977年7月15日
Published Date 1977/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404203071
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酸素はその生体内貯蔵冠が消費量に較べて著るしく少く,正常状態においてわずか1,000mlであり1),これは成人の消費最の3〜5分相当量にすぎない。そこで生体は常に外界から酸素を摂取してこれを利用の場である細胞内ミトコンドリアにまで運搬している。従って,この運搬経路のどこかに障害があれば,生体諸機能はたちどころに危機に陥ることになる。
酸素が空気中からとりこまれて細胞に至るまでの経路のうち,われわれが臨床的に直接把握できるのは血液レベルまでである。そして,たとえこれが正常であったとしても組織細胞に必要な酸素が過不足なく供給されていることの指標とはならず,これを知るためには嫌気性エネルギー産生の結果としての乳酸量や代謝性アシドーシスから,あるいは混合静脈血酸素含量からこれを推定するほかない。しかしこれらの方法は,組織灌流障害が著るしい状態では必ずしも組織酸素供給の適否を反映しないことがある2)。
Polarographic analysis of tissue oxygen by means of oxygen electrode has been developed and proved to be useful. Employing the Hydron coated disposable oxygen electrode, tissue PO2 (PtO2) was measured during operative procedure in 26 patients who underwent major surgeries.
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