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附添婦全廢とそれに伴う看護量レベルの変動について
佐々木 澄夫
1,2
,
米山 宮子
2
1厚生省中国医務出張所
2国立広島療養所
pp.387-396
発行日 1957年6月1日
Published Date 1957/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541201239
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1,はしがき
昭和30年の秋頃から問題化してきた,国立療養所の附添婦廃止制度も漸く1年を迎えようとしている現在,国立広島療養所が附添婦廃止に当つてとつた方法の経過と,調査検討した2,3の事項ならびにその結果について報告する。
結核療養所の附添婦は胸部外科手術の発達と共に年々その数を増してきたものであつて,国立広島療養所における附添婦制度の歴史は古く,胸廓成形術を開始した傷痍軍人療養所時代の昭和17年頃からである。初期は家族附添が主であつたが,昭和21年以後は反対に主として職業附添婦となつた。昭和30年12月末日迄に実施した手術数は,胸廓成形術一次918例,肋膜外合成樹脂充填術159例,充填球除去兼成形術46例,肺葉切除術1,036例に達し,その間の手術患者看護ならびに,特に手のかかる重症患者看護は,その多くを附添婦に委ねられたかつこうであつて,病院管理上には幾多の疑義を残しながら,国立療養所における胸部外科手術の普及発達は実にこの制度に負うところが大きかつたといえよう。
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